船大工の娘日記

お早う御座います。
いよいよ本日鵜飼ミュージアムにて、市民講座(鵜飼舟プロジェクト報告会)と、進水式です。
大きなトラブルも無く(小さなトラブルはありましたが😄)、無事にこの日を迎えられました。
これもひとえに関係者の方々と、応援してくださる皆様のお陰だと思います。
特に、父が一番心配していた天気に関しては、この時期ではあり得ない晴天続きに恵まれ(気象的には問題有りでしょうが)、お陰で作業が早く進められました。
有り難い事です。
製作期間中は、多くの方々に来て頂き、大変有難う御座いました。
多くのメディアに取り上げて頂き、新しい御縁も沢山出来ました。
感謝です。
実際に見に来られた方も、来られなかった方も、プロジェクトを応援してくださった皆様全てに感謝致します。
有難う御座いました。
・・・なんぞとちょっと真面目に語ってみたり😆
本日の様子は、またアップ致します。

船大工の娘日記

7月13日に鵜飼舟が完成し、14日にアカトリを作り、15日にFRPをシキとハラの繋ぎ目に貼って、全工程作業終了。

現在舟は、ひっくり返されて、アカデミーでおねんね中。
舟の底を見る機会なぞ、そうあるもんじゃないので、二女と四女と共にアカデミーへ。
おお、本当にさかしまだ。写真撮ったれ。
一通り撮影会して、うだつの町並みに行きましたとさ。

あとは7月22日まで、ひっくり返ったまま。

7月22日の午前中にアカデミーから岐阜市へ移動して、午後に市民講座の後で進水式。
そしたらこのプロジェクトも終了。

きっとあっという間に終わるんだろうなぁと思ってたけど、やっぱ早いわ。
しかし、進水式が終わるまではまだ終わらない。
今しばらくのお付き合い。
まぁ、作業が無いので、父はアカデミーへ行く予定は無いですけどね。

無事に全てが終わりますように。

最後は笑って締めたいですね〜😊

舟大工の娘日記

ここ数日、父がちょっと体調を崩しておりましたが、薬が効いたのか、割合早く回復しております。完全復活ではありませんが。

さて、不調ながらも、多少体が楽になると舟の事が気になる父。
「お休みします」と告知しつつも、実はちょろっとアカデミーに顔を出しておりました。

10日はマキナワを持って行って、ハダウチ(マキナワの打ち込み)指導。
11日は舟の銅板がついたので、それを見に。
12日も様子見に。
で、本日は朝からアカデミーへ。
何人か、アカデミーに見えた方々と、お話したそうです。
そして帰宅し、午後からはお休みです。

さて、ハダウチも本日で終了予定。明日は、アカトリを作るそうです。
そしたら舟の製作自体は終了。

ところで、耐久性の問題から、最初はシキの全面にFRPを貼るという事になっていましたが、施主さんのお師匠さんから「折角こんなに綺麗に出来ているのに、勿体無い」という話が出ました。
しかし父は、「100%水漏れしない保証が無いのに、貼らない訳にはいかない」という意見。
協議の結果、継ぎ目に接着剤+テープ状のFRP使用となりました。
アカトリを作った後、その作業に入ります。

予定より早く仕上がりますので、進水式までは、そのまま展示状態になると思います。

宜しくお願い致します。

船大工の娘日記

更新が遅れております。大変申し訳ありません。
さて、現在舟の形は出来ておりまして、後は銅板貼ったり、マキナワを打ち込んだりの作業になります。

先日ヒライタの下側が削って無いのを見つけたので、父に「ここは削らんの?」と訊ねたところ、「素人の娘があんな事言っとる」と、笑われました。
はい。素人ですよ?それが何か?

ヒライタは、船霊(ふなだま)様のお使いである蜘蛛が宿る場所なので、あえて手を加えず、自然のままにするそうです。埋め木が出来るように彫ってはありますが、埋め木もしません。

そんな鵜飼舟がお気に召したのか、蜘蛛様がヒライタの下側に居るのが目撃されました。
これは、縁起が良いな。
蜘蛛様は、大層この舟がお気に召したらしく、作業の振動にも耐えていましたが、途中で姿を消しました。
さすがに振動に耐えられなかったか。
また戻ってきてね。

銅板は、久津輪さんが、ネットで購入。
父が「まぁ手に入らん」と言っていたパテも、ネットで購入する事に。
「ネットで買えるんか」と、父が驚いていましたが、ホント何でも手に入るなぁ。
助かりますが。

ハダウチ(マキナワを打ち込む事)を、ダグラスさんにやってみたいか確認すると、「やります」の返事。
本日、道具と材料を持ってアカデミーへ行き、一通りの手順を教えてました。

父的には何とか15日までに完成させたいとの事。
さて、予定通り行きますかどうか。

マキナワ・マキハダ

マキナワ・マキハダ
檜・槇の皮から作られ、現在では主に和舟の水漏れ防止に使用。
檜の皮を使う事が多いが、槇の皮を使う事もある。檜製を「檜縄(ヒナワ)」槇製を「槇縄(マキナワ)」とも言う。
檜製と槇製は、見た目と手触りで容易に判別出来る。
檜は明るい茶色、槇は焦げ茶色。手触りは両者を比較して、檜は「フワフワ」槇は
「ゴワゴワ」。
槇製は千切れ易く、縄になうにしろ使用するにしろ扱い難いが、檜製は扱い易いと言うのが使用者の感想。
但し、水に対する腐食耐性は槇製の物が高いと言われる。
木自体の流通量の違いから、槇製の物を見る事は少ない。
平成29年現在マキナワの流通は殆ど無く、マキナワを作る事が出来る者もほぼいない状態である。槇皮に至っては、採取すらされていない様である。
現状マキナワを手に入れる事はほぼ不可能と言えよう。

船大工の娘日記

7月1日 那須造船にて「マキナワ講習会」開催。

講師はマキナワ師の我が母、那須栄さん。
参加者は、大野康世さんとその妹さん・私。取材同行として、岐阜県立森林文化アカデミーの河尻副学長さんと学生の古山さん。参加者では無いけれど、同行者として千葉県の船大工、土屋徳彦さん。

岐阜県立森林文化アカデミーで待ち合わせして、那須造船へ行く予定。
アカデミーへ行くと、土屋船大工さん・大野康世さん姉妹・河尻副学長・古山さんが、鵜飼舟で盛り上がっている。
土屋船大工さんも大野さんも、鵜飼舟は道具も含めて特殊だと言われた。
そうなんですか。あんましというか、殆ど他所の舟の事知らないから、よく分かりませんが。

那須造船に着くと、父しか居なかった。あれっ!?お母様!?どこですか!?
父に聞くと「知らん」の一言。早速ピンチだ。
そこで家に行くと、おった。ので、二人で那須造船へ。

皆さん舟の事やらマキナワの事やらで、盛り上がってらっしゃる。
「モジ」は他所では使っていないとの事で、土屋船大工さんや大野さんも、興味がある様子。

それでは、マキナワ講習会開始。・・・の前に準備開始。
先日マキナワに使えそうな部分を槇皮から剥がして選別しておいた物を、水で湿らせてから木槌で叩いて柔らかくする。・・・はずが、肝心の木槌が無い!!再びピンチ。
母「あれ?木槌無かったかよ?」
私「家じゃないの?こないだ持って来てまったって言っとったやん」
で、家へ探しに行って、見つけて持って来ました。
いやいや、段取り悪くて済みませんね〜。

槇皮が布の紐で括ってあるのを見て、大野さんが布で縛るんですねという様な事を言われた。何処やらで何やらを縛るのに(こらこら)麻を使うとの事。
「いえ、あるモンで縛ってるだけです。」と、那須母娘。
すいません、こんな親子で。

槇皮を叩く時のポイントは、槇皮の束を回しながら叩くこと。つまり、同じ場所ばかり叩かない事。何故なら皮が千切れてしまうから。
皮が柔らかくなったら紐を外して広げ、再度水で湿らせる。
何度も湿らせるのは、ない易くする意味と、乾燥して千切れるのを防ぐ為。
保存する時も袋に入れて、乾燥しない様にする。

さて、準備が整った所で実践です。
まずはマキナワ師の母に見本を見せてもらって、製作開始。
やり方は、藁で縄をなうのと同じ。
ない始めの部分を槇皮で括って束にしてから足で踏んで固定し、二つの束に分けてそれぞれ捻りつつ、一本に縒り合わせる。これの繰り返し。
但し、藁と違って、太さも長さもまちまちなので、仲々ない難い。

女三人寄れば姦しいの言葉通り、最初は黙々とやってたのに、その内賑やかに。
大野妹さんのマキナワは、何故か穴が空いてたり(つまり2つの束が縒り合わさってない)。
「何で穴が空いてんのー?(笑)写真撮ったる!!」と私。
「何故か(束が)3つになってる」と大野さん。
「何で3つになるの!?(笑)2つですけど?」と私。
見ると、乱れた三つ編みの様な太い縄が出来ている。
「乱れた三つ編みや(笑)!しかも太いな!?ちょっと待って!写真撮るから!!」
初心者への気遣いが一切感じられ無い言葉を私が言えば、
「まっと細うなけないかん。根元から先へ細くしてかな」と父が追い打ち。
それに対し「初心者に高度な技術を求めんといて!」と私。
自分の発言は、棚の上の方に放り上げている。

マキナワないは、どうもハマるらしく「少しだけ」のはずが、皆いつまでもなっている。
無心でなう事でストレスが解消されるのではないか、マキナワヒーリングだなとかいう話も出て来た。
そして出た結論が「縄に心の闇が出る」であった。
そう、大野さんのマキナワが三つ編みになってやたら太いのも、妹さんのマキナワが途中で寄り合わさってなくて、輪っか状態になっているのも、全ては心の中の闇が反映されていたのだ。
・・・んな訳あるかい(笑 )!!

とにかく、そんな訳で、笑いっぱなしの講習会でした。
大野姉妹はナワないにハマってしまい(康世さんは、草履編むのが好きだそう)、土屋船大工さんが「もう行くぞ」と声をかけても「まだ大丈夫」と、仲々動こうとしない。

和紙職人の寺田さんの時も思ったけど、土屋船大工さんと大野さんの会話って、父と私の会話に似てる。まるで親子の様に気安い関係。良い関係が出来てるなぁ。

講習会終了後、妹さんに槇皮をプレゼント。心の闇を解消するのに使うそうな😄
自分で作ったマキナワは、勿論お持ち帰りです。

土屋船大工さんには、父をすごく褒めて頂きました。有難う御座います。
川尻副学長と古山さんもお疲れ様でした。有難う御座いました。
賑わしい(控え目な表現)講習会にびっくりしたかも知れませんが、女同士の集まりなんて、こんなモンですよ😄

楽しかったマキナワ講習会。
後で母が父に「世津子、ノリノリやったな」と言っていました。ほほほ。

次回があれば、今回参加出来なかった方にも参加してもらいたいなぁ。
その為にも、ちょっと頑張りましょうかね。
主にアカデミーさんが😄

船大工の娘日記(お休み中だから、ここだけのお話編)

長いタイトルですいません。
最近日記形式で書いてますが、今回は情報提供致します。

①これの前に「9割方完成」と書きましたが、じゃあ実際あとどれ位で出来るんだと気になりません?
娘は気になったので、棟梁(父)にストレートに聞いちゃいましたよ。
これは父的計画なので、今の所Facebookには公開しません。ここだけの話です。
前振りが長くてすいません。
父の脳内計画では以下の通り。
7月15日頃 殆ど完成(したいな)
7月18日 完成(するとええなぁ)
つまり、予定通りなら、鵜飼舟完成のXデーは7月18日です。
まぁ、あくまで予定ですが。
あとはメンバーの頑張り次第という事で。
その後は多分進水式まで展示会状態なんでしょうなぁ。

②7月21日(当初の完成予定日)は、父の86歳の誕生日です。実は娘は密かにこれに向けて誕生日プレゼントを用意していたりします。
プレゼントが何かはナイショ(おい)。当日にでも公開します。

③意外に熱いファンがいる事が分かった「マキナワ・マキハダ」ですが、7月1日(土)に大野康世さんが、土屋船大工と共に岐阜にいらっしゃいまして、マキナワ体験されます。
「そんな事もう知ってるよ」と思った方、甘いです。
実は鵜飼舟プロジェクトの中間報告会の後で、川尻副学長(Facebookで友達になってます)とお話ししたんですね。
で、出来ればマキナワ体験を見てみたいと。
ネットワークでマキナワについて盛り上がっている事もあって、マキナワ(正確には槙の皮)の供給について、前向きに検討したいという様なお話をされました。
私も「アカデミーや森林組合から、槙皮手に入れられないかなぁ〜。そしたら、なうのは私がやっても良いんだけどなぁ〜」とか思っていた所なので、正に渡りに船!!
実現したら、マキナワの安定供給にもつながりますよ?
少なくとも私はマキナワで生計立てるつもりは無いので、「金にならんから」という理由では止めませんしね。
言っときますけど、ちゃんと本業持ってます(笑)。
まぁそんな訳で、マキナワの未来にちょこっと光が射しかけた感じです。
マキナワ技術は、これから精進して磨きます。
母がマキナワ師だと、こういう時助かるわ〜。
くどい様ですが、あくまでここだけの話です。色々未定ですので。

以上、報告終わり。

船大工の娘日記

昨日6月28日〜7月3日まで、ダグラスさん・マークさんはサバニレース関連で沖縄へ出張です。
作り手がいない為、当然ながら鵜飼舟プロジェクトはお休み。

6月27日に、鵜飼舟プロジェクトの中間報告会をアカデミーでやりました。
私は鵜飼舟作りにずっと張り付いてる訳じゃ無いので(それやったら、ものすごく嫌がられそうだ。今でもウザがられてる可能性があるのに。)、具体的な説明を聞いて「ほー、成る程〜。」なんて感心していた。
高野槙が実は結構特殊な木だったり(この「特殊」という言葉に私は弱い)、古墳時代には高貴な人の棺桶に使われていたりと、面白いお話も聞けた。
凄いな高野槙。
実は前日にネットで「自分が死んだら、槙の木で棺桶を作ってもらう。材料はウチの持ち出し」なんて投稿をしていた所なので、タイムリーなお話でした。
もし本当に高野槙で棺桶作ったら、古墳時代の支配者と同じか。すぐ燃やされちゃうけど。
しかし槙の木がスサオノオの尻毛から出来たのは知らんかった。
なんつーもんから作るんだ。
まぁ、排泄物から神様が生まれるんだから、ありか。
出典が日本書紀だそうなので、知らないのかな?古事記は読んだ事有るんだけど。
スサノオって、いわゆる冥界の神でもあるので、その尻毛から出来た木が棺桶に使用されたのは、興味深い。
でも尻毛かぁ・・・(しつこい)。
高野槙の話もそうだが、舟作りの事とか、知らなければ知らないで済んでしまう事が、実は凄い事だったんだと思ったり。
知らせる姿勢も、知ろうとする姿勢も大事だなぁ。
おかげで少しお利口になった気がする。有難うございました。
ダグラスさんとマークさんのアメリカでのお仕事についてのお話も興味深かった。
アメリカでは木造船作りが熱い様で、寄付やボランティアも日本では考えられないレベル。凄いなぁ。
日本もその位になると良いなぁ。和舟だけじゃなくて。
「大切だ」「受け継がねば」なんて言ってるだけじゃ、絶滅しますからね。
実際ウチの父、絶滅寸前のレッドデータ職人ですから(笑)。
さて、気になる製作状況は、ダグラスさんとマークさんの頑張りで9割方完成。
と、聞くと「もう出来ちゃうんじゃない?」とか思っちゃう訳ですが、まだ細かい部分が色々あって、それも仲々大変らしい。頑張れー!!

お勉強するのは好きです。
全部が理解出来なくても、自分がお利口になった気がするから。
でも、実際お利口になってるかどうかはもちろん別の話(笑)。

船大工の娘日記

本日は雨。久々のお湿り。やれやれやっと降ってくれた。

午後からアカデミーへ行くと、ダグラスさんとマークさんは4枚目の腹板にかかっており、古山さんはヒライタの作業中。

そんな中、どうしても気になる物がある。
舟の腹板に鉛筆で描かれたオタマジャクシである。
一体、誰が何の為に・・。
もの凄く気になるが、父に聞いても理由がよく分からない。ミステリーだ。

さて、マークさんがコベリのカマをやっている、
カマと言うのは、角度を付けて、板を切り込んだ部分の事。板を噛み合わせて接合する。
通常はカマだが、コベリの部分は「引っ掛けカマ」と言う、特別な切り込み方をする。
マークさんが仲々上手く嵌め込めない板に、苦労をしていた。

父が自宅から持って来たタテイタとヒライタを見せてくれた。
何でも大正時代の物だそうな。祖父が作った物かは不明との事。
ヒライタにはダキ(釘穴)の様な削った部分があるが、そこは埋め木も何もしないそうだ。
じゃあ何にするんだと言うと、舟魂(フナダマ)様のお使いの、蜘蛛が棲む場所なのだとか。
鵜飼舟等は、ヒライタの下の部分に、金毘羅様のお札を貼ったりするそうな。
金比羅様は航海の守護神だもんね。成る程。

今日中に4枚目の腹板は付かないので、明日に持ち越しですな。

因みに明日は、CBCさんが撮影に来るらしい。

船大工の娘日記

11時近くにアカデミーへお邪魔しました。
舟は、腹板4枚目の製作に入るところらしい。
「これでどの位出来たの?」と聞くと、「これ(腹板)が付きゃあ、8割方や。」と父。
作業に余裕が出た為か、父がいきなり「お前、(ダキ切り)やってみろ」と、無茶振りして来た。
確かにやらせろとは言ったけどさぁ・・・。
いきなり本番ですか?最初はどうでも良い板にやらせるんじゃ無いんですか?
「弟子?」と、マークさん。
いやいや違うから。
一応父の指導を受けながら挑戦してみたものの、失敗が怖いのと加減が分からないのとで、早々に挫折。
「お父様!出来ません!!」
娘の悲鳴が作業小屋に響いた。
鵜飼舟船頭の後藤さんもやったらしい。
サービス精神旺盛だな。父。

それにしても今日は蒸し暑い。
明日は雨が降るというし。
やっと梅雨らしくなるなぁ。

船大工の娘日記(6月17日分)

午後からアカデミーへ行くと、お客さんが何人もいた。
日曜日だからかな。
おもてなしに、ご近所さんとこで収穫して来たグミを出すと、好評だった。
意外に食べた事の無い人がいるが、食べると何かクセになるらしい。

腹板は残す所2枚の状態。
まだやる事はあるが、余裕が出て来たのか、のんびりした感じがある。
ふと見ると、東京文化財研究所の今石さんが、ダキを切っていた。
おお、スゴイな。
「仲々筋がええぞ」とは父の言葉。
今石さんはと言うと、「とても師匠の様にはいきません」「(ダキを切るのが)恐い」と言っていた。
今石さんが切ったダキの写真を見せて見る。
「まぁ、これなら、ええんやないか。」と父。
どうやら及第点らしい。
娘もやってみたいと父 に言ってみる。
父「お前、ノミ使った事あるんか?」
娘「(力一杯)無い!!」
父「ノミを使った事の無いモンが、出来るんか?」
うぬぅ・・・痛い所を・・・。
いや待て私。確か中学位の時に、「木で同級生の顔を彫る」か何かやったぞ。
その時ノミを使ったが、手元が狂って掌に刺さって出血し、教師をビビらせた記憶があるな。
・・・だめじゃん。
それでも「何か参加させて!」と言うと、悩んでしまう父。
「お前なんかに出来んってか?」と言ったら「そんな事をいう根性は無い」と言われた。どーゆー意味だ。

取り敢えず、製作は順調な様子。
父的に気になっているのが、舟を作るのにツク( 支えの)安定が足りない事。
とはいえ、今更どうなるモノでも無いが。とは父の言。
その影響がどの程度出来るかは現状未定。

船大工の娘日記(6月16日分)

お昼近くにアカデミー訪問。
船尾の方にマキナワが使用されているのを発見。
元々この部分は、マキナワ(マキハダ)を使う事を想定しているとの事。
使用しているのは、槇では無く檜。
立板に赤い線が引いてあって、そこにもマキナワを埋め込むそうな。
昔、接着剤が無かった頃は、立板と腹板の間全部にハダ打ちしていたらしい。

腹板の船尾に近い方に、板のズレと言うか、隙間があった。
父的には不本意だが、今更どうしようも無い。カンナをかけるわけにもいかない。
で、登場するのがパテ。
これを防水も兼ねて隙間に埋め込むとの事。
「ここにはマキナワを埋め込まんの?」と、娘が問えば、「マキナワを使ったら、隙間がある事が判るやろ」と父。
マキナワを使う=隙間があるという事らしい。
とはいえ、舟が古くなって黒ずんでも、パテを使った部分だけ白いので、結局はバレるんですがね。
持参したパテは2種類。白いのと、やや灰色っぽい物。
白い方は弾力があり、乾燥しない(弾力が変化しない)。
もう一つはボンド程度の軟らかさで、硬化するとの事。今回はこちらを使用。
隙間を埋めつつ塗っていく。
さて、綺麗に埋まるかな?

船大工の娘日記

本日11時頃にアカデミー訪問。
その際出会った方に、「皆さん、かなりお疲れみたいですね」と言われました。
う〜ん。そう見えましたか。
確かに毎朝早いし、ストレスも多いだろうし、疲れてるだろうなぁ〜。

とか考えていると、外人の女性を発見。
昨日来日した、ダグラスさんの奥さん、キャサリンさんでした。
私のヒアリングが合っていれば、ランチを持っていらした様子。

さて、父に現状を訊ねれば、舷板を午前中に付けたかったが、それは無理そうなので、午後からにするとの事。
出来れば今日中に舷板を付けて、釘を打ちたいそうな。
で、実際現状どこまで出来ているかと問うたら「半分以上」との返事。
進行状況はまずまずの様で、今の状態なら7月22日に何とか間に合うのではとの事。
おお!!皆の頑張りが実っている!!
但し、今後どうなるかは解らないし、ダグラスさん達の沖縄行きがどう影響してくるかも解らないとの事。
うーん。そうか〜。
それでも、好天が続いているので有難い。毎日梅雨空なら、もっと遅れるはずだったと思う。

さて、午後から救世主今石さん合流。
父は今石さんを大層高く評価しており、「あの人がいると助かる」と言っている。
これで父のストレスも減るだろう。有難う、今石さん!!

午後から再度訪問すると、今石さんとこの息子さんがいた。
子どもがいると、現場が和むような気がする。
名付けて「こどもセラピー」。

お天気は当分晴れ続きらしい。
本当に梅雨か?と思いつつ、助かっている部分があるのも事実。
何とか順調に進んで欲しいものである。

船大工の娘日記

6月12日(月)
15時半近くに母と共にアカデミーへ。
本日は四女も合流。
「大分船らしくなったな」と母。
参観日状態で父の作業を見ていると、木槌の金属部分が外れてしまった。
さぁピンチだ!という訳でも無く、別の木槌を使用。
その間に直してみたものの、何度やってもすぐ外れる。
挙句、もう一つの木槌も壊れた。
で、3つ目の木槌の出番。
まぁ、道具も古いからねぇ。

梅雨だというのに、よく晴れて気持ち良い。
舟作りには有難い陽気だそうな。
本来舟作りに向いているのは冬。しかし今は梅雨時。
と、言う訳で、晴れている内に少しでも作業を進めたいらしい。
「今日は早番や」と、朝6時前に家を出た父。帰宅は17時過ぎ。
早番じゃ無いやん。これ、早番日勤やん。

6月13日(火)
本日はCBCさんが、父の釘打ちを撮影に来たそうな。
その後、自宅と仕事場にも行ったそうな。
以上。

船大工の娘日記

1週間が終わって、また新しい1週間が始まった。
父は毎日7時前に家を出てアカデミーへ行く。
ダグラスさんとマークさんは、5時半位から作業をしているそうだ。
アカデミーの久津和さんや、古山さん、東京文化財研究所の今石さん、佐野さん、石村さん、臨時のお手伝いの山本さん、鵜飼舟船頭の後藤さん、久津和さんのお父さんの久津和勝男さん。それ以外にも沢山の人が関わっている。
皆の頑張りで、進んでいる鵜飼舟プロジェクトである。
有難う御座います。皆さんの御協力に感謝しております。
だから写真撮らせてね😄facebookにも載せさせてね😄

さて、先週は腹(舷)板だの立板だのが付いて、舟らしくなった。
「底を作っとる内は、何を作っとるか分からんで、見ても面白く無い。」
と、父が言っていたが、確かに舟の形が出来てきてからの方が、見て楽しい。
でも、舟作り自体に興味がある人には、槇の板から興味深いんだろうなぁ。

土曜日の夕方に、3〜4人位の若者が来て、舟を見て行った。
分かんないけど、アカデミーの人と言うより、高校生位かなと思った。
「すげー」と、感心して見ていく。
うーん、そうだなぁ。和船作ってるとこなんか、普通見る機会無いもんなぁ。

今回のプロジェクトで思った事。
「結構、女性で和船作りに興味を持っている人って、多いんだ。」
自分で作る事までは仲々出来無いだろうけど(女性の船大工さんもいるそうだけど)、見てるだけでも楽しいと思う人が多いみたい。
一度見て「すごい」と感心するだけで無く、何回も見に来る人もいる。

あら、和船って製作段階から観光資源になるのね。
他の地域でも、製作段階公開してるもんね。

娘は父が舟を作っているのを、こんなにじっくり見るのは初めてで、だから知らない事が多い。
舟作っている人には常識な事でも、さっぱり分からない。
今回「何それ?」思ったのが、facebookにもアップした「盗み」という技法。
他地域では違う呼び方をするそうだ。
人が群がっているので何してんのかと思ったら、「珍しい事をやっとる」と父。
それは一体?と思えば「盗っ人と嘘つきや」との事。
はあ!?思わず聞き返した上に「真面目に?」とまで聞いてしまった。
真面目に「盗む(盗み)」という名称らしい。
見てても、説明を聞いてもよく分からない。
しつこく聞いて、どうやら立板の曲線に腹板をぴったり付ける為に、腹板の一部を削って抉る事だと理解した。が、その理解が正しいのかも自信が無い。
そもそも何で「盗む」んだ。理由は父も知らんので、最早意味不明。
知ってる人、誰か教えて下さい。

船大工の娘日記

6月9日(金)
9日と書いてあるが、実際に書いてるのは10日。
昔、毎日書くつもりで書き忘れた分の日記を何日分かまとめて書くという、真面目なんだかそうで無いんだかわかんない事してたっけ・・・(遠い目)。
まぁいいか。
9日はアカデミーで、初めましてのお客さんに会った。
写真家の後藤亘氏、千葉からみえた古沢美奈子さん。
何時もの如く写真を撮らせて頂きました。「通過儀礼ですから」と、最早強制。やりたい放題だな。
古沢さんはダグラスさん繋がりですが、facebookで友達になりました。
鵜飼舟は、立板・腹板(気持ちは分かるが「腹痛」変換は止めて)が取り付けられてきており、大分舟らしくなっている。
あら、大分進んだな。と、見て思った。
古沢さんと寺田さんが父と写真を撮りたいと言うので、写真撮影。
何故こんな年寄りと写真を撮りたいんだと思うが、逆の立場だったら、やっぱり撮るなと納得。
和紙職人の寺田さんと東京文化財研究所の今石さんで名刺交換。
次回和紙関係で、何かプロジェクトやってくんないかな。

舟の製作が大分進んでいる気がしたので、自宅にて父に進行状況を確認。
「最初の予定より、10日ばか縮んだな。」と父。
10日!?すごいじゃん!!
とはいえ、この「予定」は、父が予想した予定の事。
父の予想では、最初7月21日完成は有り得ないという見解だった。
現在もそこは変わってないはずで、この先何処まで発表した予定(7月21日)に近付けるかは、ダグラスさん達の頑張り次第。
もちろん言うまでもなく、2人共すごく頑張っていて、父によれば朝5時半頃からやっているそうな。マジですか。
休憩も殆ど取らないんだよね。
体大丈夫かなと心配したら、「大丈夫や。懸垂しとる。」と父。
え!?やってんの!?毎日!?作業場で!?
アメリカ人すごいな。今度写真撮らせてもらおう。
それはともかく、父も2人の事を「真面目で、頑張っとる」「横着やない」「器用は器用やな」等と評している。
良かったね2人共。ツンデレで仕事に厳しい父が、仕事がらみで人を褒めるなんて仲々無いよ。
どうせ直接2人を褒めるなんてしてないんだろうし。ツンデレだから(しつこい)。
古山さんの釘打ちも「板から出ずに打っとる」と褒めてたし。※注 褒めてます
後藤さんも、毎日有難う。
父的には、せっかく来てもらっているのだから、色々体験してもらおうと考えているらしいけど、仲々そうもいかないそうで。
あと、父は最初「手は出さん。口しか出さん。」と言ってたのに、色々手を出してる。
「あんまり手を出すと、やにこい(方言:鬱陶しいとか、いやらしいという様な意味)でと思うんやけど、仕事が遅れとるで、つい、手を出してまう」って、何日か前にも反省してた。
のほほんとしている様で、色々考えてるんですな。自分でそう言ってたわ。
舟の出来としては、「特上とはいかんが、こんなもんや」と父。
特上狙う方が無理だろ。目標は高い方がいいけどもさ。でも、結構な褒め言葉だろう。
まぁ、現状及第点といったところか。
みんな頑張ってるなぁ。娘は主に邪魔にしかなってないけど。
ここで懺悔。
東京文化財研究所の佐野さん、今日も撮影の邪魔ばっかして、御免なさい。
その内東京文化財研究所からクレームが来るんじゃなかろうか。
邪魔してる自覚はあるし、ちゃんと悪いと思ってます。改めないだけです。申し訳御座いません。懺悔終了。
今度那須家の夕ご飯に御招待するので許して下さい。未定ですが。

さて、6月10日はNHK名古屋さんが、アカデミーに撮影に来るそうな。
6月13日(火)はCBCさんが、父の釘打ちを撮影しに来ると言う。
父の釘打ち大好評。ダグラスさんや久津輪さんの宣伝効果か?

舟大工の娘日記

6月7日(水)
朝、山下純司鵜匠より、父に電話が入った。
昼に父が戻って来た時に、かけ直してもらう事になったので、父への報告も兼ねてアカデミーへ。
舟は舷板と立板の取り付けにかかっていた。
父に電話の件を伝えがてら、幾つか質問。
Q: 重しの石は、丸い方が良いのか?金属の重しは何故使うのか?
A: 別に丸く無くて良い。川から持って来ただけ。丸いと安定が悪いので、四角くても良い。金属の方は、あったで使ってる。あれの方が(四角いので)安定が良い。
Q: マキナワの値段は、自分が買った時は幾らぐらいか?
A: ひと束で500円〜700円位。1000円は超えない。
それからマキナワの話をしていると、久津和父より「岩国の舟は、修理にワカメを使った」という情報が。
父もその話は知っていたらしく、「海の方ではワカメや昆布を使うが、あくまで応急処置で、絆創膏みたいな物。その上からトタンを貼る。」との事。
応急処置なら、後から修理するのかと聞くと、「ワカメは塩分があるので、トタンが錆びる。トタンが貼ってある様な舟は『こんな(トタンの貼ってある)舟じゃあ・・・。』と、嫌がられ、結局廃棄になる。」と父。
だめやん。
父のウンチク?は続く。「最近は、ワカメや昆布の代わりに新聞紙を使ったりする」
へ〜。他のとこの事は知らんかと思っていたら、詳しいな父。

それはともかく、見慣れない女性を見付けたので、接触を試みる。
東京文化財研究所の半戸(はんど)さんとの事。
早速通過儀礼の写真撮影を依頼。同じく東京文化財研究所の石村さんが苦笑している。
100年位したら、貴重な資料になるかも知れんでしょ〜?

そんな感じでウロチョロしていたら、棟梁(父)に「お前、仕事の邪魔」と言われてしまった。
父の言葉に「御免なさい。帰ります。」と、項垂れる娘。目には涙が・・・何ぞという事は全く無く、用事もあるので、さっさと帰る事に。
娘「ほんじゃ、帰るわ。」
父「おう、御苦労さん。」

鵜飼舟製作状況

facebookの更新ばかりしていて、こちらが疎かになっています。申し訳ありません。
一昨日(5/29)午前中にアカデミーを訪問した時点での、進行状況をお知らせ致します。
シキは9枚接合済みで、半分出来た所だそうです(シキには全部で18枚の板を使うそうです)。
昨日(5/30)はもっと進んでいるはずですが、あいにく仕事で進行状況を見に行けませんでした。
6/1には見に行って、進行状況をお知らせしたいと思っています。
ダグラスさんは川舟を作るのは初めてとの事で、勝手が違う様です。
今まではツバノミを使っていたそうですが、鵜飼舟ではツバノミでは無く、モジを使います。
釘穴の開け方も、今までやっていたやり方とは違うそうです。
とはいえ、経験がありますので、慣れるのも早い様に思われます。
マークさんも、2〜3 日の間に随分と道具の扱いに慣れていました。
言葉の壁もありますが、身振り手振りも交えて、何とかなっている様です。
何より二人ともとても真面目なんですよね。
父が朝7時頃にアカデミーに行った時には、もう作業を始めていたそうです。
この頑張りに見合った、良い舟が出来ると良いと思います。

鵜飼舟製作1日目

本日は初日という事もあり、マスコミの取材がありました。
NHK・CBC・朝日新聞・中日新聞の方達がみえまして、父・ダグラスさん・マークさんが大人気でした。
本日は板揃え〜底(しき)板を3枚つなげた所まで行きました。
父的に、まぁ予定通りだとの事。
底に使う板は、鵜飼舟の場合全部で11枚です。あと8枚。
予定では、10日で底完成。そこまでで、全工程の30%だそうです。
舟として一番大事な部分です。

ところでウチの父は、放っておくと休憩も水分も取らないので、要注意です。
対するアメリカ組は、一番体力を使っているはずなのに、一番元気です。
東京文化財研究所の今石さんは、通訳兼作業のサポートと、大活躍でした。
有難う御座います。
娘は基本何にもしてません。あえて言えば、父の水分補給係でしょうか。

鵜飼舟プロジェクト打ち合わせ

5月21日岐阜県立森林文化アカデミーにて、鵜飼舟プロジェクトの打ち合わせをしました。
プロジェクトの確認やスケジュールの見直し等をしたのですが、途中父の話が長かったり、久津輪さんがダグラスさん達に通訳している時に他の話をしていて注意されたりという場面もありました。
あれ?何か覚えがあるぞ、この感じ。
あ、授業中の不真面目生徒達に手を焼く教師の図だ。